弘法大師図像

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　この図は、わが国にもっとも通用する弘法大師像の一本である。
一般には真如親王御筆の弘法大師像と呼ばれ、椅子式の牀座に結跏するのが特徴である。すなわち、大師は顔をやや右方向に向け、全身を茶地の袈裟に包み、右手に五鈷杵、左手に念珠を持って趺座する。椅子の下には沓が横ざまに脱がれ、傍らには水瓶がおかれる。この形式の図は、高野山御影堂に古くから祀られている。縦１２９ｃｍ、横１０８ｃｍの本図は、室町時代の作とされ、あるいは高野山から拝領したものかもしれない。